芳地戸のふせぎ (市指定、無形民俗文化財)
懸仏二面 (市指定、工芸品)
懸仏二面 (市指定、工芸品)
悪魔払いの神事である「ふせぎ」を笠幡の芳地戸では、毎年春の彼岸の中日に行っている。
その日の午前中、神社でおみこしを作る。四角の木製の枠に榊や樫の小枝などを取付けた
だけの古風なもので中に神社の御本体を納める。神社でふせぎの祈祷を行ったあと、芳地戸
の全部の家を廻る。村廻りの行列の先頭は太鼓である。「ヨーイド・マーダー」とはやし、
「ドコデン・カッカ」と太鼓を打ちながら進む。次ぎにみこし。昭和42?3年ぐらいまでは、
家の中まで入って清めていたが、今は庭まで。次ぎに村境にたてる辻札八組と尾崎神社の幟一本。
それに子供達が大勢従って行く。
又、この神社に保管されている懸仏は、神の本体という意味の御正体を仏像で現したものである。
二面ある懸仏はどちらも直径18.6センチメートルの円板状の板金でつくられ、釣手が二つある。
中央に鋳造した半肉の仏像一体が取付けられており、室町時代の宗教的遺物として貴重なものである。
昭和57年7月
川越市教育委員会
川越市教育委員会